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うつ病の私がペットでうさぎを飼い始めた話

20代前半の春、私はうつ病と診断されました。これは、そんな私が1匹のうさぎをペットに招き入れてからの、生活や性格の変化のお話です。

高校を卒業してからというもの、一定の職に就き続ける事が困難だった私。同じ職場では1年も持てば良い方でした。コンビニ、飲食店、キャバクラ、スナック等本当に沢山の職業を経験してきました。なぜそんなにも転々としてきたのか。それには、私の性格が関係していました。私は、非常に飽き性だったのです。
そんな私ですが、20歳~24歳までの間では一度も職を変える事もなく一つの職場に居ました。それは水商売ですが、私にはとても楽しくやりがいを感じ、また自分の存在が多くの人に認められる、そんな感覚が得られる職でした。私はこの水商売が好きでした。

水商売を始めて4年目のある日、店のオーナーとひと悶着起きました。金銭の事が原因ではありましたが、その頃の私は24歳。水商売の女は世間の目からは白く見られます。私は、一般的な昼職に就きたいと思っていたのです。オーナーにたびたびその相談はしていましたが、その相談はもう1年も続いていたのです。1年前から言い続けている事なのに、オーナーはどうしても私を辞めさせてくれませんでした。それもそうでしょう。毎日お店に出勤しており、多数のお客さんからも支持をされ、店の看板だと言われ続けていたのだから。結局、オーナーからの脅迫や恐喝等がきつくなり、私は第三者を入れ、警察に協力を仰ぎ、見事水商売の世界から脱する事が出来たのです。

脱してすぐはまだ次の職場は見つかっていませんでしたが、事件の事で私を支えてくれていた方が新たな職場を紹介してくれました。ガソリンスタンドでした。私はまた、初めての経験をしていくのです。セルフのガソリンスタンドでの給油はした事があったので、給油自体はそんなに難しい事ではありませんでした。仕事は沢山ありましたが、私の出来る事はほんの一部でした。

スタンドでの人間関係にも多少慣れた頃、朝起きる事が少々辛くなってきました。夜も早めに寝ているし、好きなお酒も休日にしか飲んでいません。しかし、朝が辛いのです。重い体を起こし、毎朝仕事に向かいました。

そんな日が続いたある日の朝。私は、ついに起きれなくなりました。嫌だ、仕事に行きたくない。しかし仕事は行かなくてはなりません。無理して起きようとすれば吐き気が止まらなくなるのです。2週間ほど休暇を貰ったのですが一向に良くならず、家族の勧めで精神科に行く事になりました。うつ病でした。沢山の薬が何週間分も処方されました。私は、自分が情けなく思えて仕方がありませんでした。

薬に頼り寝てばかりの私の元に、家族が様子を見に来ました。何やら大きな荷物を持っています。別部屋に待機させられ、呼ばれて戻ると、そこには1匹の仔うさぎがいました。アニマルセラピーというものがあるらしい、と家族が言いました。しかし私はうさぎなんて飼った事がありません。
初めてなのです。沢山調べました。習性、仕草、食べ物。いつの間にか、かけがえのない存在になりました。

自分の手でいつの間にか大きくなっていき、自分がよると小屋から出てきてケージの入り口で待機し、手から餌を食べる姿に、私は癒され続けました。うさぎと生活して7か月が経つ頃、もう病院へは行かなくなっていました。ペットが私たち人間に与えてくれるものは本当に沢山あります。私は、病気を克服する力を貰いました。今は新たな職に就き、結婚も決まりました。

命を大切に。それがうさぎから改めて学んだ命の事。これから生まれてくる命とも、仲良くして欲しいものです。